クレジットカード付帯保険大変動
2022年10月ごろから、クレジットカードの付帯保険の内容が大きく変化しています。この変化については、のむてつさんのYouTube動画で、端的に説明されていますので、そちらをご覧ください。
以下の過去記事で、考え方には変化がありませんが、具体的なカード名はほぼ変わってしまっています。現在では参考になりませんので、注意してください。
ここから過去記事 (あくまでも参考。カード名は参考にしないで!)
海外ロングステイで医療費問題は非常に重要な課題です。保険が無ければ先にお金を用意してデポジット(預け金)を差し入れないと治療してくれませんから、医療保険に加入しキャッシュレスで治療を受けられるように準備することは必須です。
保険が無くてもお金があればいいという考えももちろんあります。
しかし、緊急時に100万円を超えてくるようなデポジット(預け金)を準備できるでしょうか?急を要する場合はまごまごしていると命にかかわります。
筆者がシンガポールに駐在していた時のことです。日本から出張できていたエンジニア(男性30代)が、激しい腰痛を訴え、一般病院に担ぐ込んだところ、尿道結石だということがわかり、専門医に移って、すぐに処置ということになりました。この時、1万シンガポールドル(シンガポールドル:1万SGDは当時約80万円)を超える金額がかかるとのことで、デポジットとして1万SGDを要求されましたが、日本人駐在者・出張者ともに、誰もそれだけの持ち合わせはありませんでした。
現地法人の人事と経理に連絡し、車を飛ばして、1万ドルを持ってきてもらって、何とか治療を受けることができました。
これは、日本の会社の現地法人に駐在や出張で来ていたからとっさにお金を用意できたのであって、頼れる組織がない個人のロングステイの場合は 、事前に何らかの準備をしておかねばなりません。
脳梗塞などはそうめったにあるもんじゃないかもしれませんが、尿管結石などは若くても結構頻繁に起こる病気ですし、交通事故もいつ遭遇するかわかりません。
クレジットカード保険のすすめ
クレジットカード付帯の海外旅行保険をうまく利用することで、安価に医療保険を使えるようになります。
年会費無料のクレジットカードで、保証が充実しているカードについては、依然、厳選3種をご紹介しました。
年会費無料でも、海外滞在期間が90日以内であれば、十分な保険に加入できます。
3か月を超える海外滞在に向いているクレジットカードは?
年会費無料でも、リクルートカードは”利用付帯裏技”が使えますから、90日を超えてさらに90日(累計で180日目まで)の保険加入が可能です。
利用付帯裏技については、下記の記事を参考にしてください。
しかしながら、リクルートカードの疾病・障害の保険金額は1枚のクレジットカードで100万円(疾病障害あたり)までとなっています。
たいていの場合100万円で十分なんですが、こういう保険のお世話になるときは、もっと大きな病気や怪我を考えておかなければなりません。
また、滞在先で長期入院がいいのか悪いのか、、、、場合によったら日本へ移送ということも選択肢として出てきます。
このようなときに使える保険が救援者費用ですが、リクルートカードの場合、100万円までの保証です。
マレーシアから日本への移送費用が概算300万円程度といわれています。
このように考えると、保証が100万円のカードであるなら、3枚か4枚のクレジットカードで、”利用付帯裏技”を発動しなければなりません。
これって、現実的でしょうか?
日本出国から90日の時点で、3-4枚のカードを使って、公共交通機関のチケットを買わなければならないのです。(実際には利用しないチケットを購入する、いわゆる”捨てチケット”行為は、保険金詐欺になる可能性があります。)
疾病・障害、救援者費用が300万円以上の利用付帯クレジットカード
公共交通機関のチケットを一回購入するだけで、300万円の疾病と傷害保険、救援者費用が”利用付帯”されるカードはあまり多くはありません。
現時点で、この条件に適うクレジットカードは3種類です。
利用付帯裏技カード | 疾病/障害 | 救援者費用 | 年会費 | 備考 |
TRUST CLUB プラチナカード | 500万円 | 500万円 | 35,000円 | 家族特約* |
エムアイカードゴールド | 300万円 | 400万円 | 5,000円 | |
エムアイカードプラスゴールド | 300万円 | 400万円 | 10,000円 |
*TRUST CLUBプラチナカードは、家族特約で本人だけじゃなく家族も保険対象 配偶者、同居の親族、生計を一にする別居の未婚の子
単身・夫婦の場合はエムアイカードゴールド
エムアイカードゴールド、エムアイカードプラスゴールドには、家族特約はありませんが、安価に家族カードが発行され、18歳以上の家族に保険を付帯することができます。
家族カードの年会費は、エムアイカードゴールドで1,000円、プラスゴールドは2,000円です。
ここから先の情報は”のむてつ”さんがお調べになった最新情報(2019年10月時点)です。
エムアイカードの特徴(夫婦の場合)
- 夫の正カード(年会費5000円)に+1000円の年会費で妻の家族カードを発行可能。同時に妻の正カードと夫の家族カードも所持可能なので、正・家族カード合わせて、夫婦で各自2枚・計4枚所持可能(4枚合計年会費12,000円)
- それぞれのカードで利用付帯裏技による付保が可能
- 複数枚のカードで同時に利用付帯裏技を発動すると、疾病・傷害補償と救援者費用は上乗せされる(2枚の時は2倍の補償金額になる。一枚ずつ時期をずらして発動ももちろん可能)
夫婦の場合、例えば夫がエムアイカードゴールドの正カードを5,000円の年会費で所持し、妻向けに家族カードを1,000円で発行すれば、それぞれ、利用付帯裏技の保険が付帯可能で、90日間保健期間を追加できます。自動付帯のクレジットカード(EPOSカードやREXカード)の保険に引き続いて90日間追加すれば、自動付帯90日保険と合わせて累計180日まで保険加入できます。
さらに妻の正カードと夫の家族カードを入手し利用付帯裏技を発動すれば、さらなる90日間の保険に加入でき、自動付帯90日間を合わせて累計270日間まで保険加入できます。
2回に分けて発動させて保険期間を稼ぐのではなく、2枚を同時に発動させれば、保証金額が上乗せになり、 疾病・傷害補償600万円、救援者費用800万円に増やすことも可能というわけです。
(単身の場合は、家族カード技が使えませんので、エムアイカードゴールドで+90日の累計180日までです。)
さらなる長期滞在の威力を発揮するエムアイカードプラスゴールド
上記のエムアイカードゴールドと、年会費が異なるだけで、保険の付帯条件は変わりません。エムアイカードゴールドとは関係なく別に所持できますから、夫婦を前提に、エムアイカードゴールドとエムアイカードプラスゴールドの正カードと家族カードをお互いで持ち合うと、各自4枚、合計8枚のカードを所持できます。
単身の場合は、+90日でエムアイカードゴールドと合わせて累計270日まで、夫婦の場合は、家族カード技を併用し、+90日+90日で、累計450日までの保険が可能となります。
高額医療費が必要となる欧米でも、多数枚使いで十分な補償
4枚のカードで利用付帯を一気に発動させると、保証金額は疾病・傷害1,200万円(300万円×4枚)と救援者費用1,600万円(400万円×4枚)となり、治療費が高額になる欧米でも十分な補償額となります。
マレーシアの場合、疾病・傷害の保証が300万円あれば、そこそこ十分でしょう。もしかすると医療費がオーバーすることもあるかもしれませんが、デポジットで300万円以上を要求されることはないでしょう。
でも、普段はマレーシアにいても、第二の人生の楽しみとして欧米へ数週間旅行ということもあるでしょう。そんな時に、同時発動させることで、保証額の上乗せを図れば、旅先でも安心です。
なお、マレーシアから欧州に渡航しマレーシアに戻ってくるというような場合、日本に一時帰国しないのであれば、新たに海外旅行保険に入ることは難しいです。海外旅行保険の場合、一部の例外を除いて、出国時から連続して保険に加入しておかなければならないからです。
(例外は、 TRUST CLUBプラチナカードから加入することができる「海外旅行保険プラス」という継ぎ足し保険です。のむてつさんのサイトに詳しく紹介されていますのでご参考になさってください。 http://choro.asia/hoken/sumi-trust-club-platinum-kaigairyokouhoken.htm
家族の場合はTRUST CLUB プラチナカード
TRUST CLUBプラチナカード(旧名称:Sumi TRUST CLUBプラチナカード) は圧倒的に手厚い保険が魅力です。特に、家族特約が強力です。お子様や、老齢の親御さんの場合は、そもそもクレジットカードを持つことが困難な場合が想定されます。
年会費が高額ですが、家族での長期滞在の場合は、他で保険を掛けることを考えると圧倒的なパフォーマンスとなります。
本人と家族(配偶者、同居の親族、生計を一にする別居の未婚の子供、年齢制限なし)に、疾病・傷害500万円、救援者費用500万円が利用付帯(裏技可能)されます。
年会費は35,000円と高額ですが、対象となるご家族が多い場合はこれ一択といっていいぐらい強力なカードです。
家族(18歳未満のお子様が含まれる)でのロングステイについては、別の機会にまとめます。
単身・夫婦の場合はエムアイカードゴールドが一押し
マレーシアロングステイの場合、人によりますが、多いのが春と秋に年二回日本に一時帰国するケースです。
マレーシアロングステイを楽しみながらも、気候のいい春と秋は日本の季節感を楽しもうというわけです。
その場合、クレジットカード保険として、実用性が高い組み合わせは、年会費無料の自動付帯カードと、エムアイカードゴールドではないでしょうか。
180日できっかり日本に一時帰国できるとは限りませんので、夫婦でエムアイカードゴールドの本人カードと家族カードを持ち合うことで、自動付帯分併せて270日までの保証を可能にしておけば、安心です。それでも、年会費は夫婦合計12,000円で、非常に効果が大きいといえます。
そもそも、90日目にきっかりとチケット購入できるのか?というと疑問があります。うっかりすることもあるでしょう。なにか用事が重なったり、旅に出てしまってチケット購入がままならなかったりすることもあるかもしれません。
えてして、そういう時に限って何か起こったりするものです。
そういったことも考えて、多少日数の余裕を見て利用付帯を発動させるほうが現実的ではないかと思います。
まとめ 真に実用性が高いクレジットカード保険とは
長期滞在時の医療保険は非常に高価ですが、クレジットカード付帯の医療保険であれば、無料かまたは非常に安価に医療保険に加入できます。
クレジットカード保険は大半が自動付帯であり、マレーシア滞在で欲しくなる一疾病/傷害あたり300万円程度の保険であれば、年会費無料のカードで容易に加入できます。
ポイントは、自動付帯保険期間が切れる90日以降の保険で、年会費無料で利用付帯裏技の使えるクレジットカードは最高でも100万円までの補償額であり、3-4枚のカードで一気に利用付帯裏技を発動しないと十分な補償が得られませんが、一気に3-4枚のチケット購入を実施するのは大変ですが、エムアイカードゴールドなら、一枚の公共交通機関チケットを買えば保険が付帯されます。
- 単身・夫婦の場合はエムアイカードゴールド
- 家族(高齢者や18歳未満の子供がいる場合)TRUST CLUBプラチナカード
夫婦の例 | 出国ー90日 | 90-180日 | 180日-270日 | 270日-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 |
カード1 | EPOSカード | エムアイG(夫正) | エムアイG(妻正) | エムアイ+G(正) |
カード2 | REXカード | エムアイG(夫家族) | エムアイG(妻家族) | エムアイ+G(家族) |
傷害・疾病 | 470万円 | 300万円 | 300万円 | 300万円 |
救援費用 | 300万円 | 400万円 | 400万円 | 400万円 |
年会費 | 無料 | 6,000円 | 6,000円 | 12,000円 |
年会費累計 | 0 | 6,000円 | 12,000円 | 24,000円 |
コメント
貴重な情報ありがとうございます。
利用規約を確認したところ
補 償 期 間:
但し、日本出国日から3カ月(3カ月後の応当日の午後12時まで)を限度とします。
との記載がありましたので、もしかすると今は使えなくなっているかもしれません。
利用規約のソース: https://www2.micard.co.jp/content/dam/micard/pdf/company/kiyaku/goldcard_insurance_book.pdf
コメントありがとうございます。
先に結論だけ言うと、エムアイゴールドカードは、けがの治療費、疾病の治療費は、利用付帯で、出国後3か月に縛られません。利用付帯裏技可能を維持しています。
このカードの場合、保障項目によって、自動付帯と利用付帯があります。
規約のPDF3枚目(7ページ)をご覧ください。下の方に保険責任期間という項目があります。
利用付帯の補償については下記ですね。
保険責任期間
①日本出国前に公共交通乗用具または募集型企画旅行の料金のお払い込みに本カードをご利用いただいた場合は日本出国時から3カ月後の応当日の午後12時までの旅行期間。
②①に該当しない場合で、日本出国後に公共交通乗用具の料金のお払い込みに本カードをご利用いただいたときは、最初の利用時から3カ月後の応当日の午後12時までの旅行期間。
PDFの4枚目(8ページ9ページ)を見ると、死亡・後遺障害は自動付帯5,000万円/利用付帯5,000万円となっており、自動付帯と利用付帯が重なれば最大1億円になります。
ちょっと下をご覧いただくと、けがの治療費用と疾病の治療費用(これがロングステイ上重要ですね)は、利用条件を満たした場合(利用付帯)となっております。
このようにこのカードは、自動付帯の補償と、利用付帯の補償が存在するので、規約の記載が複雑です。