マレーシアの医療費は、”ピンからキリ”まであります。
マレーシアの一般庶民でごった返す公立病院にいくと、めちゃくちゃ安価です。例えば、風邪を引いて受診すると薬代こみでRM30(900円)程度で済みますが、えらく長時間待たされる上、基本的にマレー語しか通用しないなど、よほどマレーシアになれた人しか無理でしょう。
英語が通じる町のクリニックで、RM50から100程度(1500-3000円ぐらい)、日本語が通じる大きな病院でRM200から300程度(6-9000円位)といったイメージです。
日本語が通じる総合病院に入院の場合は、一日あたりRM1000-1500をイメージしなければなりません。手術や集中治療室に入った場合はさらに上乗せされます。
たまに引き込んでしまうカゼぐらいなら、クリニックで十分ですし、保険を使うまでもないと思います。
問題は、ちょっと大きなけがや病気の時です。たとえば、マレーシアで急に盲腸(虫垂炎)になり、手術を受け、入院するとすると、RM5千万-1万程度(15-30万円強)ぐらいはかかりますし、脳梗塞や、心筋梗塞といった難度の高い病気は、手術料だけで、RM20,000程度(5-60万円位)かかります。
脳梗塞や心筋梗塞で倒れて一刻を争う場合でも、保険や、デポジット(預託金)がないと手術してくれません。ちなみに、たいていの場合は、デポジット(預託金)としてRM20,000あれば何とかなるそうです。
しかし、預託金として、RM20,000をとっさに準備できるのかというと簡単ではありません。こういった場合に備えて、RM20,000以上の限度額のクレジットカードを持っておきたいところです。
一番いいのは、保険に入っていて、デポジットなしで(いわゆる、”キャッシュレス”で)診療を受けられることでしょう。マレーシア各地に保険会社と提携してキャッシュレス診療に対応している医療機関があります。特にクアラルンプールに集中しています。
海外旅行保険
マレーシア現地の医療保険もありますが、これは、入院保険です。Tokio Marineの保険の例では、保険料年間7万円程度からとなっています。これで十分じゃないの?という考え方もあるでしょうけど、重い病気や怪我で「日本に移送」ということや、日本から家族が「救援」に来るといった費用はカバーされません。
マレーシアから日本への移送費用は、およそ、300万円(通常便の座席を複数占有)から1,200万円(チャーター便)程度です。
一方、包括的に網羅できる保険では、海外旅行保険がありますが、1年間の海外旅行保険となると、条件にもよりますが、25万円から40万円弱といったあたりの保険料(61-65才ぐらい)です。御夫婦でとなると、年間の保険料が50万円から80万円にも達します。変な言い方になりますが、毎年盲腸の手術を受ける位の保険料ということになり、ここまでの高額を負担しますかというと、、、?です。
10年もロングステイしていると500万円とか800万円に上るわけで、ちょっと現実的ではありません。
クレジットカード付帯海外旅行保険の活用
”のむてつ”さん(野村哲哉氏)が運営する海外保険研究所のサイトが、いかにに安価に海外旅行保険を掛けるかという問題に対して、革新的な解決方法を提案していらっします。
一言で言うと、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険をうまく活用する方法ですが、画期的な内容ですから、ロングステイヤー(と助走中の予備軍)の方は必読です。
この章は、上記”のむてつ”さんの 海外保険研究所のサイト を参考にして書いたもので、筆者のオリジナルのアイデアではありません。オリジナルのアイデアは”のむてつ”さんの御発想ですが、文責は筆者にあり、”のむてつ”さんはなんらの責を負うものではないことをあらかじめ申し上げておきます。また、この情報は、刻々と変化し続けており、ここで掲載している内容が正確ではない可能性があります。各自がきちんとクレジットカードや付帯保険の内容や規則を確認の上、利用してください。
前置きとして、ここから先については、「今現在は健康であること」を前提にした話になります。海外旅行保険は、日本ですでに発病しているもの、持病には、保険が使えません。(これは、クレジットカードに限らず、前章の海外旅行保険も同じです。)
あくまでも、不慮の事故や発病に備えたものであることを御理解ください。
海外旅行保険の疾病・傷害補償に注目
海外旅行保険では、死亡時の保証を前面に出しているケースが多いですが、ロングステイヤーにとっては、死んだときのことよりも、不意な事故や発病による医療費のほうが心配です。
病気:疾病、事故:傷害 に対する保証こそが最重要ですから、その視点で整理しなして見なければなりません。のむてつさんのサイトでは、70枚にも及ぶクレジットカードについて詳しく調査され、海外旅行保険の傷害・疾病補償に注目した比較データベースを公開されています。
非常に貴重な情報がきっちりと整理されていますので、じっくりとこのサイトの情報を読み込んでいただきたいと思います。
覚えておきたいクレジットカード付帯保険のポイント
自動付帯と利用付帯
クレジットカードに付帯する海外旅行保険には、日本を出国すると自動的に保険が付帯する(発動して補償期間が始まる)「自動付帯」と、海外旅行に伴う公共交通機関の料金を対象となるクレジットカードで支払いすることで保険が付帯する「利用付帯」の2種類があります。
自動付帯のメリット
出回っている大半のカードは「自動付帯」です。通常、カード保険は90日間の補償なので、「自動付帯」のカードを所持していれば、何もしなくても出国してから90日間はカード保険に守られていることになります。90日以内の海外旅行・滞在であれば、自動的にカバーされるので面倒がありません。
利用付帯には2種類ある。ポイントは出国日の制約
「利用付帯」のカードは、2つに分類されます。ひとつは、補償期間が出国日から90日以内に限定されるものと、出国日からの経過日数による制限が無いもの(90日以内に限定されないもの)があります。
出国日から30日以内に限定されるカードは、エアチケットなどを購入しないと保険がそもそも付帯されないので、自動付帯と比較するとめんどくさいだけです。
しかし、 出国日からの制約が無い「利用付帯」のカードの場合、通常なら、自動付帯カードの補償が切れてしまう90日以降でも、90日目に「利用付帯カード(出国日からの縛りが無いもの)」で 公共交通機関の支払いを実行することで、新たに90日間の補償期間をスタートすることが出来ます。自動付帯による最初の90日間の補償と、利用付帯により新たにスタートする次の90日間の補償をトータルすると、180日目までの補償を手に入れることができるようになります。
この技を、のむてつさんは「利用付帯裏技」と呼び、長期滞在のときの切り札としての活用を提案なさっています。
90日以上の長期海外旅行保険もクレジットカードで[利用付帯裏技]
利用付帯裏技カードこそが核心
マレーシアでのロングステイの場合、ずーっとマレーシアで暮らし続ける「移住」という選択肢もありますが、大半のかたが、頻度の違いこそあれ、日本とマレーシアを行き来しています。多いパターンは、半年に一度か一年に一度日本に短期間帰るというパターンではないでしょうか。
そうすると、医療保険についても、6ヶ月ないしは1年間はカバーしたいところです。
世の中に「自動付帯」カードはたくさんありますが、「利用付帯裏技」カードは限られています。中には、リタイアしてロングステイを始めてからでは入手が困難なものもあるので、ロングステイを始める前の予備軍、助走期間のときに計画的にカードを入手する必要があります。
マレーシアやシンガポールのクレジットカードの保険は?
結論から言うと、今のところ、医療費の補償があるクレジットカードはありません。従って、近隣諸国との行き来で発動できる保険は無いです。(日本のカード保険は、あくまでも日本出入国が基準です。)しかし、携行品紛失などの保険はあるようです。
マレーシアロングステイの視点から見たクレジットカードの選択
海外旅行保険「自動付帯」カードと「利用付帯裏技」カードをうまく組み合わせて、マレーシアロングステイヤーのベストチョイスを提案します。
ポイントは、傷害・疾病の補償金額と、救援者費用です。マレーシアで必要となる医療費を400万円、救援者費用を300万円としてプランしてみましょう。(医療費400万円確保は”のむてつ”さんが提唱されている、マレーシアでの必要保証金額です。救援費は、”通常便の座席を複数占有 ”する場合の金額280万円を参考に決めました。)
A.まだ現役で働いている期間が1年以上ある助走期間初期
「利用付帯裏技」が可能なカードは非常に稀少で、医療補償金額をある程度を活用するには、年会費がかかるカードも避けられません。
まずこの時期は、必ず最初の90日間お世話になる、「自動付帯」カードをそろえることから始めて、引き続き年会費無料で入手できる「利用付帯裏技」カードの入手に取り掛かりましょう。
第1ステップ 自動付帯カードの取得と進化
のむてつさんのサイトでも第1位に輝いている、エポスカードははずせません。年会費無料で、疾病270万円、傷害200万円の保証です。
エポスカードは進化型カードで、育てれば永年年会費無料のゴールドカードに進化します。 ある程度の金額の利用実績があると、カード会社からゴールドカードへのインビテーションが届きます。
ゴールドカードに進化すると、なんと、傷害・疾病共に300万円の補償になります。さらに、国内の空港ラウンジが使えるようになったりと、ゴールドならではのサービスも付いてきますから、ぜひ、進化させたいものです。年間50万円利用するとほぼ確実にインビテーションが来ますが、30万円程度でもインビテーションが来た例もあります。
この進化する制度はファミリーゴールドといい、本人から、家族にオンラインでインビテーションを出すことが出来、永年無料のゴールドカードを家族も持つことが出来ます。家族を招待した場合は家族カードではなく、本人カードが発行されますので、全く独立して使えます。御夫婦で、それぞれがエポスカードを保有して、別行動をとられた場合、それぞれの出国日から起算して90日間の保険が自動付帯されます。
助走期間の初期にノーマルのエポスカードを集中的に活用し進化させることで家族もゴールドを年会費永年無料で所有できます。ラウンジに入れるのはお父ちゃんだけで結局気を使ってラウンジが使えないという事態を避けられます(笑)
自動車税や固定資産税の支払いや、 所得によりますが、ふるさと納税のカード払いにエポスカードを活用といった工夫で、利用金額を高めることが出来ます。
しかし、このエポスカードは救援者費用が100万円までの補償で、少しさびしいです。ゴールドに進化しても救援者費用補償100万円は進化しません。
疾病・傷害補償や救援者費用補償は、複数枚のカード保険を合算できるという特徴があるので、2枚目のカードとして、年会費無料の自動付帯200万円、救援者費用200万円のカードを選びましょう。
この条件に合致するのは、「 ジャックス横浜インビテーションカード 」と「 REX CARD(レックスカード) 」です。
どちらも、年会費無料で、疾病・傷害共に補償金額200万円、救援者費用補償200万円です。
両者のどちらを選ぶかですが、「ジャックス横浜インビテーションカード」はショッピングプロテクション(動産総合保険)が付帯し、このカードで購入した商品100万円を上限に、90日間の破損や盗難など不慮の事故による損害を補償してくれます。
一方、 「 REX CARD(レックスカード) 」 は、ポイント還元率が1.25%と高還元率です。
どちらを優先するかは、個人の好みで決めていいと思います。両方取得すれば、エポスカードとあわせて、傷害・疾病補償600/670万円、救援費用500万円まで確保できます。
第1ステップ | 出国ー90日 | 90-180日 | 180-270日 | 270-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | |||
カード1 | エポス | |||
カード2 | REX | |||
カード3 | ||||
カード4 | ||||
傷害・疾病 | 400/470万円 | |||
救援費用 | 300万円 |
ロングステイだけでなく、普段ちょくちょく海外旅行に行かれる方は、自動付帯カードを持つことで海外旅行保険をわざわざ掛ける必要がなくなります。年会費無料ですから、持っていて損はありません。
第2ステップ 年会費無料の利用付帯裏技カードの取得
年会費無料の「利用付帯裏技」カードは数が限られています。候補としては、リクルートカードJCB、リクルートカードVISA(またはMaster)、JCBカードR(りぽ払いカード)といったところです。これらは、傷害・疾病補償100万円、救援費用補償100万円です。
ベルメゾンメンバーズカード(VISA)もありますが、 傷害・疾病補償が50万円と少しさびしいので、はずしました。
さて、リクルートカードはJCBとそれ以外(VISAかMaster)が別のカードとして入手できるので、一人で2枚持つことが出来ます。
リクルート(JCB)、リクルート(VISA or Master)、JCBカードRの3枚が実用的な選択で、3枚トータルで、傷害・疾病補償300万円、救援費用補償300万円と、疾病・傷害補償が目標に対して、100万円足りていませんが、第2ステップとしては、ここまで準備できればいいでしょう。
マレーシアの国鉄に当たるKTMで、JCBが使えます。KTMの切符をJCBで購入し、乗車することで利用付帯裏技が発動できます。
第2ステップ | 出国ー90日 | 90-180日 | 180-270日 | 270-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | 利用付帯裏技 | ||
カード1 | エポス | リクルート(VISA) | ||
カード2 | REX | リクルート(JCB) | ||
カード3 | JCB-R | |||
カード4 | ||||
傷害・疾病 | 400/470万円 | 300万円 | ||
救援費用 | 300万円 | 300万円 |
ここまでは年会費無料のカードでまかなっています。
第2ステップ | 出国ー90日 | 90-180日 | 180-270日 | 270-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 |
カード1 | エポス | リクルート(VISA) | リクルート(JCB) | JCB-R |
カード2 | REX | |||
カード3 | ||||
カード4 | ||||
傷害・疾病 | 400/470万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
救援費用 | 300万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
このように、保証金額を100万円まで下げれば、概ね1年間のキャッシュレス診療が受けられる最低限の状態は作り出せます。年会費は無料なので、何も損するものはありません。リタイア後にカード申請を却下されたりしないように、ここまで(第2ステップ)は、現役中に準備してしまいましょう。
B.退職半年前で具体的準備に入った本格的助走期間
すぐにロングステイを開始するかどうかは別として、定年退職など、現役に終止符を打つまでの期間が半年をきってきたら、そろそろ、自分のライフスタイルに合わせて、年会費が必要な「利用付帯裏技カード」を集めにかかります。
もちろん、保険に対する考え方を自分の中で整理する必要はありますが、十分な保険による補償を求めるなら、ここから先の「年会費有料」カードの取得を進めていく必要があります。
3ヶ月に一回必ず日本に帰るなら、「利用付帯裏技」は不要ですが、そういう方は少ないでしょう。年に一回は必ず帰るか、半年に一回は必ず帰るというパターンが多いのではないでしょうか。
第3ステップ 利用付帯裏技可能で年会費が1000円前後
セディナクラッシックカードは、年会費1000円と比較的安価で、傷害・疾病補償100万円、救援費用補償100万円とそこそこです。さらに、JCB、VISA、Masterがそれぞれ別のカードとして保有できますから、3枚トータル年会費3000円で、傷害・疾病補償300万円、救援費用補償300万円 になります。
セディナカードは、他にメリットがあります。海外キャッシングによる「資金移動」が超ローコストで実現します。これは、今のところ、あらゆる手段の中でほぼ一番安いといえる方法です。
私は、現金でもって行き両替することはしません。空港に着いたら、ATMでキャッシングし、とりあえずのお金を確保します。
同じ年会費1000円のカードとして東急カードClubQ JMB があり、セディナクラッシックと同様、 傷害・疾病補償100万円、救援費用補償100万円と充実しています。
グローバルブランドはVISAかMasterで選べますが、このカードは2枚持つことはできません。VISAかMasterのどちらかに決めなければなりません。
東急カードClubQ JMB は、補償がそこそことはいえ、100万円までなので、万一を考えて、セディナクラッシックとの組合せで活用することにしましょう。
次の候補としては、JCB一般カードがあげられます。年会費1250円で、セディナクラッシックやClubQ JMBと同様、 傷害・疾病補償100万円、救援費用補償100万円とそこそこです。 保険引受会社も ”損保ジャパン日本興亜” なので、キャッシュレス診療に対応しています。
年会費は1250円ですが、初年度は無料に出来ますし、次年度以降も、MyJチェック(紙による明細をやめてWEB明細にすること)の申し込みと年間50万円の利用で年会費無料に出来ます。
第3ステップ | 出国ー90日 | 90-180日 | 180-270日 | 270-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 | |
カード1 | エポス | リクルート(VISA) | ClubQ JMB | |
カード2 | REX | リクルート(JCB) | JCB一般 | |
カード3 | JCB-R | セディナC | ||
カード4 | セディナC | セディナC | ||
傷害・疾病 | 400/470万円 | 400万円 | 400万円 | |
救援費用 | 300万円 | 400万円 | 400万円 | |
年会費 | 無料 | 1,000円 | 4,250円 |
第4ステップ エムアイゴールドカードとエムアイゴールドプラスカード
第3ステップまでで、年会費4,250と廉価で270日までカバーできるようになります。半年に一回は日本に帰るという人の場合は、ここまででいいかもしれません。
ここから先は、年会費がそこそこかかるゴールドカードを利用するしか手がありません。
のむてつさんの一押しは、エムアイカードゴールドで、年会費は5000円しますが、 傷害・疾病補償300万円、救援費用補償400万円とさすがに充実度が違います。
ここに来て、カード保険も息切れしてきました。 傷害・疾病補償額が目標に後100万円不足ですが、具合のいいカードが見当たりません。
ここでは、 年会費は1万円と痛いですが、 あえて、エムアイカードプラスゴールドを起用してはどうかと思います。単純に足せば、目標補償額を大幅に超えてしまいます。
利用付帯裏技カードがしばしば条件改悪されたり、募集終了したりしてる状態ですから、特に、年会費無料や廉価なカードの場合、減ってしまうかもしれません。ですから、利用付帯できる保険金額は、現役のうちに余分目に用意しておくほうが無難だと思います。
ここは、判断が難しいところですが、利用付帯裏技カードについては、将来手に入らなくなるリスクを考慮しておくべきです。
のむてつさんのサイトでは、比較的審査が緩めと記載されていますが、申し込み基準として、「 満18歳以上で安定した収入がある方、その配偶者、学生(高校生は除く) 」とあります。
これからリタイアを迎える世代の場合、例えば、60歳の定年を迎えてから65歳までは無収入であり、審査に通らない可能性も出てきます。こういうものには絶対はありませんから、現役の間に取得しておくべきと思います。
さて、エムアイカードゴールドとエムアイカードプラスゴールドの両方とも選択する場合は、リポ払い専用のJCB-Rをはずす方法もあるかもしれません。
第3ステップ | 出国ー90日 | 90-180日 | 180-270日 | 270-360日 |
付帯保険 | 自動付帯 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 | 利用付帯裏技 |
カード1 | エポス | エムアイG | エムアイ+G | ClubQ JMB |
カード2 | REX | リクルート(VISA) | リクルート(JCB) | JCB一般 |
カード3 | セディナC | |||
カード4 | セディナC | |||
傷害・疾病 | 400/470万円 | 400万円 | 400万円 | 400万円 |
救援費用 | 300万円 | 400万円 | 400万円 | 400万円 |
年会費 | 無料 | 5,000円 | 10,000円 | 4,250円 |
年会費合計 | 19,250円 |
ここまでで、概ね1年に近い期間をカバーできるカード保険が選択できました。
これ以上は、カード年会費も高額ですし、コントロールする枚数も増えてくるので、現実的では無いようにに思います。そう考えると、エムアイカードプラスゴールドだけじゃあなく、東急カードClubQ JMBゴールドの活用も考えるべきかもしれません。ただ、 ClubQ JMBゴールド は、傷害・疾病補償が200万円で、救援者費用補償が100万円までなので、ちょっと使いづらい面があります。
ご夫婦でロングステイの場合 現実的な利用付帯裏技 2019年10月改定追記
ここまでは、”助走中現役むけ”の話でしたので、なるだけ、年会費などのコストがかからないものを取得しやすい現役のうちに取得しましょうという話でした。
一方で、数百万円の補償を得るために、3−4枚のクレジットカードで、公共交通機関のチケットを購入するというのは、非常にめんどくさい話です。
また、この記事の前半は、単身での補償を前提にしていますが、ご夫婦でのロングステイの場合はちょっと違う選択肢が生まれます。
ご夫婦でのロングステイを前提に、多少年会費がかかったとしても、もうちょっと現実的に使い勝手のいい組み合わせについてまとめます。
2019年注目はエムアイカードゴールド
エムアイカードゴールドは、医療保険の補償範囲は本人のみです。(年会費5,000円)
しかし、18歳以上の家族に対して、家族カードが発行できます。年会費は1,000円です。
つまり、ご夫婦で、例えば夫が正会員で、妻の家族カードを発行すると、合計年会費6,000円で二人分の利用付帯裏技保険カードが所持できます。一人あたり3,000円で、疾病・傷害300万円、救援者費用400万円の補償が得られます。
先日、のむてつさんにいお願いし、エムアイカードゴールド家族カードについて、調べていただいたところ、更にオトクな使い方がわかりました。(2019年10月情報)
エムアイカードゴールドは夫婦でそれぞれが本人カードを所持し、かつ、お互い家族カードを発行し合えます。つまり、、、、、
夫 | 妻 | |
夫本人カード | 夫のカードで妻に家族カードを発行→ | 夫の家族カード |
妻の家族カード | ←妻のカードで夫に家族カード発行 | 妻の本人カード |
夫婦で、合計4枚のカードが所持できます。
日本出国から90日目までは、自動付帯でまかなうとして、90日目以降の利用付帯裏技として、比較的安価(一枚あたり3,000円の年会費相当)に医療保険が得られます。
夫婦で4枚持ちすれば、90日目から180日目と、更に利用付帯裏技を発動させることで、最大270日間(自動付帯含む)の保険が得られます。
2枚同時に発動させれば、補償金額が上乗せになり、疾病・傷害600万円、救援者費用800万円という大型補償も可能です。
エムアイカードゴールドについては、別の記事でもう少し詳しく書いています。
ロングステイ前”現役助走中世代”への提案
もちろん、保険なんていらない、万一のときは、診療費400万円、救援費300万円の合計700万円を覚悟すればいいという人もいらっしゃるでしょうし、年会費無料のカードででカバーできる100万円の補償だけでいいという考えもあります。逆に、もっと補償がほしいという方もいらっしゃるでしょう。お持ちの資産や状況によっても変わると思います。
ただ、とっさのときのために、最低限のキャッシュレス対応100万円程度か、RM2万リンギをデポジットできるクレジットカードは準備しておくべきだと思いますので、ここでご紹介させていただいた、”第2ステップ 年会費無料の利用付帯裏技カードの取得” までは現役のうちに準備しましょう。
実際にロングステイを始める直前には、エムアイカードゴールドなど、現実的に使いやすいカードの入手も検討してみてください。
カード付帯の保険はどちらかというと条件改悪の方向です。この記事は2019年7月時点の情報を元に構成されています。実践に当たっては、最新情報を確認してください。
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