マレーシア 地元で愛される名物食堂 書籍レビュー

書籍レビュー

マレーシア地元で愛される名物食堂

ローカル過ぎて地球の歩き方に載せられなかった地域密着の繁盛店

古川 音 著

ダイヤモンド・ビッグ社

ISBN978-4-478-82321-7

目次

ガイダンス

  • マレーシアの食堂文化をひもとく12のポイント
  • おもなマレーシア料理一覧
  • 地域別食事情と名物料理

第一章 名店の中から厳選! 定番食堂

第二章 伝統の味を守り抜く必食食堂

第三章 個性が光る名物食堂

コラム (10個のコラムは各章中に散りばめられている。)

特徴と感想

 本書は、マレーシアに関係するあらゆる日本人に読んでいただきたい名著だと思います。

 まずは、本書の著者である”古川 音”さんですが、本書のプロフィールにも書かれていますが、マレーシア滞在は4年間だそうです。現在は、「”マレーシアごはん”の会」を主催し、「ご飯を食べればマレーシアがわかる」という理念でマレーシアの食を紹介するという活動を展開なさっておいでです。この理念については、筆者も共感しています。

 著者”古川 音”さんのサイトをご覧になればもっとよくわかります。ぜひ、ご覧になってください。

「マレーシアごはん」:http://malaysianfood.org/

「マレーシアごはん」about us :http://malaysianfood.org/about_us/

 筆者は、まだ、マレーシアには短期間の旅行でしか訪れていませんが、お隣のシンガポールには、2年間駐在していた経験があり、土日の休みは、毎週マレーシアにゴルフに出かけていました。(シンガポールのゴルフ場は高価なんです)。そこでは、まさしく、本書に出てくるようなホーカーで食事していました。(おそらく、本書で紹介されているよりももっとディープで小汚いところでした。)

 もともと、シンガポールはマレーシアの一部でしたから、文化や食の共通性は高く、ベースにある、多民族・多様性というキーワードは共通です。

 あまり、観光ガイドブックには、出てこないのですが、かの地では、忘れられない食べ物がたくさんあります。かつて、マレーシアやシンガポールに滞在したことのある方は、本書を手に取ると、懐かしくて、たまらなくなり、ネットで、マレーシアごはんが食べられる日本の店はないかと検索することでしょう。

 本書には、そんな、心を揺さぶるような食堂がたくさん掲載されています。

 滞在経験のある方は、この本の価値がすぐに解ると思います。ですので、これから、マレーシアに行ってみるという方には、ぜひとも、本書を手にとって頂き、気に入った(あるいは気になった)食堂を訪れる計画を日程に入れてください。

 マレーシアは、本当にうまいものの宝庫ですが、心を揺さぶられるような、いつまでも思い出に残る食事は、本書に出ているような食堂でこそ味わえると言っても過言ではありません。

 例えば、日本ではあまり知られておらず、でも、現地の日本人にとって、ソールフードになっているものの一つに、「ドライミー」があります。これは、日本で言うと、「油そば」とか「台湾混ぜそば」などという名前で、最近はやっているものに似ています。

 有名店では、Kin Kinのチリパンミーがあります。ドライミーの一種であり、パンミーのドライ(汁なし)と言ってもいいです。

 マレーシアには、一言では通じない、何という名前で読んでいいのかわからない食べ物があり、ドライミーも「汁無し麺」というだけで、千差万別・多種多様なものがあります。中華系のお店で、ご飯の周りにおかずを盛り付けるワンディッシュランチなどは、「経済飯」と呼ばれていて、固有の名前というものがないですね。

 残念ながら、筆者の住んでいる大阪では、マレーシア料理やシンガポール料理はあまりメジャーではなく、タイ、ベトナム、インド料理のお店のほうが多いと思います。

 さらには、ドライミーが食べられるお店はというと、残念ながら、今の所見つけられていません。

 マレーシアにいたことのある方がお知り合いにおられたら、マレーシアの料理について、聞いてみてください。ガイドブックなどに載っていない話がたくさんあるはずです。

 マレーシアの魅力は、観光にあらず、多民族・多様性をベースとした、あらゆる文化に触れ合えることと言ってしまっては言いすぎでしょうか?

 かの地では、私達が彼らにとっての外国人であることを忘れてしまいそうになります。多民族・多様性を認め合う心の心地よさに魅せられてしまうでしょう。

 本書は、”本当のアジア マレーシア”をご飯を食べれば理解できるよ、という呼びかけでもあります。

 名著、必読です。

「マレーシア 地元で愛される名物食堂 ローカル過ぎて地球の歩き方に載せられなかった地域密着の繁盛店」をアマゾンで購入

コメント

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.
タイトルとURLをコピーしました