海外で自動車の運転をしようとすると、行き先の国で有効な運転免許を取得するか、国際免許を持っていなければなりません。
「国際運転免許証」は、日本の運転免許を持っている人が、海外で自動車などの運転をするために、を警察で発行してもらうもので、海外に行くときに持参すれば、条約締結国であるならば運転が出来ます。
この条約は「道路交通に関する条約( CONVENTION ON ROAD TRAFFIC )」といい、ジュネーブで作成されたことからジュネーブ条約とも呼ばれます。
ジュネーブ条約
ジュネーブ条約の原文と日本政府による日本語訳を見つけました。下記リンクを参照ください。
日本語訳:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S39(2)-05…
原文:
http://www.worlddriversassociation.com/pdf/CONVENTION%20O…
重要箇所として、第一条に出てくる「一年ルール」と第24条に出てくる、「条約締結国の免許が有効である」というルールです。
・一年ルール
Article1 2. No Contracting State shall be required to extend the benefit of the provisions of this Convention to any motor vehicle or trailer, or to any driver having remained within its territory for a continuous period exceeding one year
第1条2 締約国は一年を超えてその領域にとどまっている****中略****運転者にこの条約の利益を及ぼすことを要求されない。
一年ルールの解説
難しい文章なので、ポイントをかいつまんで解説します。
まず、「この条約の利益」とは、ジュネーブ条約締結国同士では、入国から一年間はそれぞれの国の免許の効力が認められて、車の運転ができますよという内容です。
次に「一年を超えてその領域にとどまっているいる運転者」とは、入国後一年を超えて滞在していることをさします。
全体をまとめると、「入国から一年間は運転しても良いが、一年を超える場合はジュネーブ条約では認めていない」ということになります。
これが一年ルールです。
なお、条約上の一年ルールは引き続き留まる運転者(driver having remained within its territory for a continuous period exceeding one year.)と書かれています。
ということからすると、一旦国外に出ればリセットされ、再入国から一年ルールが始まると考えられます。
しかし、シンガポールのようにEPなどの就労許可を得た場合は、パスの発給の基点となった上陸日から起算して一年という制限があり、一旦一時的に日本に帰国してもリセットされません。
マレーシアの場合は、どうやらリセットされるみたいで、シンガポールのようなルールはありません。
この一年ルールは注意が必要で、国によってかわるので、注意が必要です。
締約国の運転免許が有効
Article 24
1. Each Contracting State shall allow any driver admitted to its territory who fulfils the conditions which are set out in Annex 8 and who holds a valid driving permit issued to him, after he has given proof of his competence, by the competent authority of another Contracting State or subdivision thereof, or by an Association duly empowered by such authority, to drive on its
roads without further examination motor vehicles of the category or categories defined in Annexes 9 and 10 for which the permit has been issued.
2. A Contracting State may however require that any driver admitted to its territory shall carry an international driving permit conforming to the model contained in Annex 10, especially in the case of a driver coming from a country where a domestic driving permit is not required or where the domestic permit issued to him does not conform to the model contained in Annex 9.
第24条
1 ****前略**** 有効な運転免許証を所持する者に対し ****中略**** 新たな試験を受けることなく、自国の道路において運転することを認めるものとする。
2 ****前略**** 付属書9に定める様式に合致しない国内免許証を発給する国から来た来た者である場合には ****中略**** 国際運転免許証を携行する事を要求することができる。
締約国の運転免許が有効について
24条の1に書いてある内容は、「条約締結国は相互に運転免許が有効で、新たに運転免許の試験を受けることなく運転ができる」という、この条約の大原則の部分が書いてあります。
行き先の国で運転するときの根拠となる有効な免許は、たとえば、日本の免許証となりますから、裏を返せば、正式には国内運転免許を持参していないといけないということです。
24条に2に書いてある内容をもう少しわかりやすく言うと、「日本の免許証は、”様式に合致しない”(そもそも日本語表記なので、大抵の国で通用しない)ので、国際運転免許証を携行しないといけない」ということです。
マレーシアでは、日本の免許では内容が読めないので、「国際免許証」が必要みたいです。
マレーシアの場合
ASEAN諸国は、ジュネーブ条約とは別の枠組みがあり、協定を結んでいます。ASEAN諸国内では、マレーシアの運転免許があれば、国際免許なしで、運転できます。
また、オーストラリアやニュージーランドといった英連邦諸国でも通用するという話を聞きました。
マレーシアの免許は英語での表記になっているので、ジュネーブ条約締結国では比較的そのまま通用するようです。
マレーシアでは、外国の免許からマレーシアの免許への書き換え(無試験でマレーシアの免許がもらえる)制度が2018年8月26日以降できなくなっていますが、2019年11月をメドに、マレーシア国民とMM2Hに対しては再開されるとの運輸相談話が発表されています。
非常に強力な免許です。書き換え制度が再開したら迷わず取得しましょう。
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