昨年9月にストップした”外国免許からマレーシア免許への書き換え”が再開されるというニュースが飛び込んできました。
9月4日の「New Strait Times Online」に、 アンソニー・ローク運輸大臣 の話が掲載されていました。
記事の内容
プトラジャヤ:マレーシアマイセカンドホーム(MM2H)の参加者と外国の運転免許証を所持するマレーシア人は、特別な配慮が与えられ、免許証をLocalの免許証に変換するためのテストを受ける必要がない場合があります。
しかし、アンソニー・ローク運輸大臣は、申請を検討する前に特定の基準を最初に満たさなければならないと述べた。
要件の1つは、有効な外国運転免許証が必要であることです。「これは外国人運転学習者の許可証または試用ライセンスには適用されません。有効な外国運転免許証は、最初はマレーシアのPライセンス(試用)に変更され、Pライセンスを持つマレーシア人が遵守するのと同じ規則と規制を遵守する必要があります。」
「これは、国によって異なる運転規則と文化、特に左ハンドルに慣れている人がいるために必要です」と、今日ここで開催された閣議後会議の議長を務める前にローク運輸大臣は語った。
MM2H参加者と外国の運転免許証を持っているマレーシア人は2年間Pライセンスを保持します。
MM2Hの参加者がプログラムに参加しなくなったり、要件に違反したり、交通法に違反したことが判明した場合、ライセンスは取り消されます。
道路交通ジュネーブ条約1949年およびアセアン諸国発行の国内運転免許の承認に関するクアラルンプール協定を含む、マレーシアとの条約または協定に署名していない国から運転免許証を持っている人については、交通法と理論テストを通過しなければなりません。
「これは、他の国とは異なる可能性のあるマレーシアの法律や道路規制を確実に理解する必要があるためです。」
ローク運輸大臣はまた、外国の運転免許をどのように変更できるかについての詳細は道路交通局によって発表され、政府は早ければ11月にそれを実施することを目指していると述べた。
記事の解説
2018年9月26日以降、外国の運転免許証から、マレーシアのローカル運転免許証に書き換えが一部の例外*を除いて中止されていました。(*シンガポールの運転免許を保有するマレーシア国民は書き換えが継続していた)
今回の運輸大臣の発言は、この措置に対する見直し策について、具体的な内容とおおよその時期を示唆したものです。
発言の要旨をまとめます。
- 対象 有効な外国運転免許を保有しているマレーシア国民とMM2Hの外国人。
- 免許の要件 仮免許や試行免許ではない運転免許。
- 書き換え後の免許 書き換え後2年間はPライセンス(試行ライセンス:初心者マークのようなPマークを付けることが義務付けられている。)。
- 免許の失効 MM2Hプログラム終了。MM2Hの要件違反。交通法規違反。これらは免許取り消しとなる。
- 学科試験 ジュネーブ条約およびASEANの協定以外の国の免許の場合は学科試験が課される。
- 施行時期 11月の早い時期を目指す。
- 詳細の規定等 道路交通局 (JPJ)から発表される予定。
今回の発表の範囲には、MM2H以外の外国人は入っていません。すなわち、企業の駐在員などは、対象外のままです。
MM2Hは準国民的扱いなどともいわれていましたので、今回対象に入ったことは喜ばしい限りですが、依然として、就労VISAの駐在員が対象外になっていることが影を落としています。
忙しい駐在員が、LOCAL免許取得のために教習所に通うのは大きな負荷になるので、LOCAL免許は取得せずに、国際免許のままの方が多いと思います。今後、MM2H以外のVISA保有者に対しても救済措置の対象になることを祈りたいと思います。
下記は、昨年9月の書換停止に関する記事です。ご参考。
ジュネーブ条約に加盟していない国
国際免許は、ジュネーブ条約に基づいて発行されるものですから、原則として、ジュネーブ条約に加盟している国家間でのみ有効です。
この条約は「道路交通に関する条約( CONVENTION ON ROAD TRAFFIC )」といい、ジュネーブで作成されたことからジュネーブ条約とも呼ばれます。
ジュネーブ条約と国際免許について別の記事にまとめています。こちらもご参考。
ジュネーブ条約には多くの国が加盟しています。警視庁のページに一覧があります。
多くの国が加盟している一方で、この条約に加盟していない国もあります。代表的な非加盟国は”中国”と”ドイツ”です。
今回のローク運輸相の発表には、ジュネーブ協定に加盟していない国の免許の書き換えの際は、学科試験を課すとありますが、多分に中国を意識した新制度だと愚考しております。
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