マレーシアの記事でよく見かけるのは、「マレーシアは治安がよく、、、」という表現ですが、何を根拠に治安がいいといっているのでしょうか?
ちょっと旅行でいくだけなら、全く治安の悪さは感じませんが、住んでいる人の話を聞くと、そんなに良いとはいえないという気がします。
「駅まで、歩いて5分でも、徒歩は避けたほうがいい。」引ったくりや、すり、強盗といった事件は結構発生しており、常に注意しないといけないといいます。「夜道を一人で歩いちゃだめ」「バイクが後ろから近づいて来たら警戒しろ」「交通事故にあっても不振を感じたら車から出ずに離脱しろ」などなど。
世界の中でマレーシアの犯罪は?
治安について、Criminal Indexというものを掲載しているサイトがあります。国別ランキング(2019年)によると、118か国中マレーシアは悪いほうから19位となっています。
また、同じサイトで、都市ランキング(2019年)では、クアラルンプールが319都市中悪いほうから31位です。
中南米やアフリカなどを含んでおり、比較しにくいかも知れませんが、アジアだけに絞ったランキングでは第5位です。(1位アフガニスタン、2位カザフスタン、3位バングラデシュ、4位シリア)もちろん、東南アジアでは最悪です。
都市別でみるともっと衝撃的です。クアラルンプールはなんと悪いほうから3位です。(1位アルマトイ:カザフスタン、2位ダッカ:バングラデシュ)
日本外務省海外安全ホームページマレーシア情報
ボルネオ島の東部海岸付近は「レベル3:渡航はやめてください。(渡航中止勧告)が出ていますが、クアラルンプールやマラッカがある半島部ではありません。ボルネオ島方面、都市でいうとコタキナバルに渡航する方は念のため危ない地域などを事前に確認してください。
このような特別に地域を除いた場所はどうなのか。
同じく外務省海外安全ホームページの「安全対策基礎データ マレーシア」によると、、、、
1 犯罪発生状況
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_017.html
2016年におけるマレーシアの犯罪届出件数は112,354件であり,前年比で3,707件減少しています。
マレーシア国家警察は,犯罪発生件数は着実に減少していることを強調すると一方,スリや置き引き・ひったくりなどの「街頭犯罪」は17,333件と昨年よりも1,299件増となっている旨注意を呼びかけています。
主な凶悪犯罪の届出件数は次のとおりです。
(1)殺人:456件(前年比43件減少,人口10万人あたりの発生率は日本の約2倍)
(2)強盗:14,453件(同705件増加,人口10万人あたりの発生率は日本の約25倍)
(3)強姦:1,886(同161件減少,人口10万人あたりの発生率は日本の約7倍)
10万人あたりの強盗発生率が日本の25倍という点は無視できない数字だと思います。
マレーシアの治安について
マレーシアの魅力を語るサイトで、さらっと「治安がいい」と書かれていたりしますが、何を根拠に治安がいいとしているのか理解できません。
もちろん、これらのデータで治安が悪いと決め付けているわけではありませんし、暮らしにくいといっているわけではありません。これを乗り越える魅力があると思っています。現に、ロングステイされている方々にうかがっても、怖い思いをしたことがある方は少ないです。
しかし、日本と同じように無防備で暮らせると思うのは危険です。自分自身が怖い思いをしたことがなくても、身近にすりやひったくり、空き巣といった事件が起こった例を見たり聞いたりされている方は日本よりも多いように感じます。
よくある犯罪と注意点
一番多いのは引ったくりです。引ったくりはバイクで後ろから迫ってきてかばんを取られるというケースが多いようですが、最近、注意喚起されているのがスマホです。スマホ片手に地図を見ながら歩いているところをさっと横取りされます。
スリは、複数人で犯行に及ぶケースがあり、一人が何かを尋ねて気を引いているうちに、もう一人が掏り取って、すぐに別な人物に渡してしまうというパターンで取り返すのは困難です。口の空いたかばんを持っていたり、パンツの後ろポケットにスマホや財布を挿しているのはとってくださいといわんばかりです。
強盗は、人気の無い場所で起こります。どちらかというと、大都市の郊外です。クアラルンプールおよびその郊外(クランバレーエリア)ですと、KLの中心部よりも、スランゴー、プタリンジャヤやシャーアラムのほうが多いようです。一人で歩いているときであったり、ショッピングセンターの地下駐車場でガードの目が届かないようなところで発生しています。
こういった犯罪から身を守るには、どういった場所やどういったシチュエーションが危ないのか、普段から十分な情報収集が必要です。ローカルの友人がいれば、親切に教えてくれますし、日本人でも、ロングステイされている方から、貴重な経験や知識を得る事ができます。マレーシアでは、普段からのコミュニケーションも重要な安全策になります。
マレーシアは車社会です。安全なのか危険なのかわからないうちは、人気の無いところでは短い距離でも歩かず、車で移動することです。ロングステイでは、車が必須といわれています。(車は残念ながら高価ですが、中古車もあまり値が落ちませんので、たいていのロングステイヤーは車を所有しています。) 私は、先輩ロングステイヤーの家に招かれたときに、駅から歩いて5分の距離でしたが、「絶対に歩くな、迎えにいくから」といわれ、車で迎えに来ていただきました。
旅行や、ロングステイを始めたばかりは車がありませんので、そういったときは、Grabを活用します。(マレーシアではUberはありません。Grabに2018年に買収されました)流しのタクシーを拾うのもやめておいたほうがいいでしょう。Grabは事前に運賃が明示されますので安心ですし、利用者が星の数で評価するので、たいていは礼儀正しく、きれいな車です。日本の感覚ですと信じられないくらい運賃が安く、ちょっとしたところなら5から10リンギで行きますし、例えば、KL セントラルからシャーアラムのブルーモスクまで、約26Kmありますが、34リンギ(2018年当時920円)でした。(なぜか帰りは28リンギ(760円)でした)
残念でまれなケース 日本人女児誘拐未遂事件
2018年11月に、 日本人女児が自宅があるコンドミニアムの建物内で誘拐されかかる衝撃的な事件が発生しました。幸いにも未遂に終わりましたが、比較的安全なはずのコンドミニアム内で発生したことが、衝撃的です。本件は、事件にあわれた母親がブログで拡散を呼びかけていますので、シェアします。
https://ameblo.jp/egaodorobou/entry-12419409641.html
この不幸なケースからいえることは、 犯罪とは卑劣なもので、弱者を狙ってくるということです。 小さなお子様をお連れの場合、部屋に入るまで気を抜いてはならないということです。
逆にいうと、リタイア後の御夫婦では、ここまでの危険は無いと思います。
治安はいいか悪いかの○×ではないが、、、、
「マレーシアって怖いな、いやだな」と思うかもしれませんし、海外に住んだ経験があり、「この程度は普通でしょ、日本が特別なだけでしょ」と思うかもしれません。それは、立場によっても違うでしょう。小さなお子様を連れて行くお母さん、単身の男性駐在員、MM2Hでリタイア後の夫婦、それぞれで治安や安全に対する考え方や耐性が異なるのは当たり前です。
少なくとも、日本と同じような感覚では生活できないということだけは確かです。
MM2Hでマレーシアに住んでいるロングステイヤーにお話を聞きますと、日本とは違うが、怖い、マレーシアから日本に帰りたいと思ったことはないとおっしゃいます。魅力あふれるマレーシアライフですが、いきなり移住を決めるのではなく、まずは、一か月とか、短期間住んでみて、自分の肌感覚として、これからも住んでみようと思うのか、駄目だ住めないと思うのか試してみるのもいいかもしれません。
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