マレーシアの物価上昇について20年ほど振り返ってみました。政策金利や為替についても過去データを見てみました。マレーシア・リンギット(MYR)については、原油価格と非常によく連動していました。
マレーシアの物価上昇率推移
2020年マレーシア消費者物価上昇率予測は1.5-2%
マレーシアのオンライン情報「マレーシアメール」に「2020年マレーシア消費者物価上昇率予測は1.5-2%」の記事がありました。
この記事によると、2019年の物価上昇率は前の年と比べて0.7%だったが、2020年は1.5-2.0%の物価上昇となる見込みであるとなっています。
マレーシア CPI :消費者物価指数 の年率上昇率
マレーシアの消費者物価指数CPIの上昇率を調べてみると、ここ最近は、低めに推移しており、2018年 0.96%、2019年 0.7%ですが、もう少し昔にさかのぼりますと、2017年は3.8%も上昇しています。平均で見てみると、5年平均:1.92%、10年平均:2.14%、20年平均:2.17%となっています。(2019年はこの記事の文中データを引用。)
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
1.55% | 1.43% | 1.79% | 1.07% | 1.43% | 3.03% | 3.63% | 2.02% | 5.43% | 0.60% |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
1.72% | 3.17% | 1.67% | 2.11% | 3.14% | 2.11% | 2.07% | 3.80% | 0.96% | 0.70% |
年によってばらつきはありますが、概ね2%あたりを中心に推移してきた過去がありますから、2020年が1.5-2.0%の上昇といわれても、それほど突飛なことではないように思います。
マレーシアの政策金利推移
このグラフはマレーシアの政策金利の推移をプロットしたものです。消費者物価上昇率が概ね2%だったのに比べると、若干高めです。概ね3%程度かと思います。
銀行の定期預金の金利は、優遇口座であったり、窓口で交渉できれば、政策金利よりは上の金利が付くようです。2019年12月現在では、政策金利3.0%に対し、優遇口座やキャンペーン金利ですと3.5-3.9%程度のようです。(条件によってはもっといい金利がもらえる場合もあります)
これらの関係は、消費者物価上昇率2% < 政策金利 3% < 銀行定期預金金利 3.5% といった感じでしょうか。
為替
金利の話が出たので、ついでに為替も載せてみました。
筆者は為替に対してはあまり知識がないので、お示しすることしかできません。
全体的な為替の方向性よりも、上下に大きく振れているように見えますね。過去の推移を見る限りでは、1RM24円から36円の範囲で触れています。
現在は、1RM26-27円ぐらいですが、歴史的にリンギ安エリアとも見ることができますし、この先ますますリンギ安になるのではとも見ることができます。
ただ、日本が未曽有のデフレ経済で、マレーシアは物価上昇しているいわゆるインフレにもかかわらず、それなりの為替を保っているようにも見えます。
この先は何とも言えませんが、もし、為替が24円から36円の間のレンジ相場だとするならば、預金金利が高い分リンギットがおもしろいとも言えます(が、、、、果たしてどうでしょう、、、、、)。
対ドルの為替推移です。最近は対ドルで安くなっています。
ついでに、対円についても、2004年以降の推移として再度掲載します。
為替の動きは複雑で、どうい考えていいのか非常にわかりにくいですね。
原油価格と為替
このグラフは、原油価格(北海Brent)とMYRベースのドル為替推移を重ねてみたものです。マレーシアは産油国なので、通貨が石油に引っ張られるのではないかと思ったのです。
ちょっと無理やりの感じもあるものの、なんとなく、原油価格と似たような動きをしています。原油価格が上がると、対ドルでリンギットが上がるような傾向があります。
一方で、大きな流れでは、対ドルで微妙にリンギットが安くなってきているようにも見えます。
筆者はどう見ているか
ここからは、全く根拠のない私見です。与太話に近いので、安易に信じないでください。
原油は、ここに来て、大きく流れが変わったとみています。
米国で起こった「シェール革命」が、その中心にあります。
米国は、シェール革命により、世界一の産油国になりました。埋蔵量もけた違いに大きいですから、エネルギー確保の観点では、いざとなったらシェールがあるさということで、かつてほど、産油国への興味が高くありません。
一方で、シェールは採掘コストがかかるそうなので、既存の産油国が大量に生産して原油が安くなると、シェールの採掘は下火になりますが、減産したりして、原油価格が上がってくると、シェールの採掘を始めるのではないかと思うんです。
ということは、一時的に原油が高騰することはあるかもしれませんが、シェールの生産が増えてくると、ある程度のところで原油価格が抑制されるのではないかと思います。
一時、ものすごく高騰しましたが、そのようなことは起きにくくなってくるのではないかということです。
円にせよ、ドルにせよ、リンギットが高くなっているときはどうやら原油が高いときみたいなので、今後、そこまで高騰しないとすると、マレーシアリンギットは将来1リンギが36円などという相場にはならないのではないかと思います。
いくらぐらいが妥当なのかさっぱりわかりませんが、せいぜい、30円ぐらいなのではないかなと、、、、、下は、、、、20円あたりがあるかも。
くどいですが、あまりにも根拠のない話ですから、信じないでください。
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