銀行口座共有名義 名義人死亡時は口座凍結

相続

 日本では、銀行口座は個人個人で持つもので、口座ひとつに対し名義人は一人ですが、海外の銀行口座では複数の名義人でひとつの口座を保有することが出来ます。

  銀行口座で、共有名義にした場合、ANDかORで取り扱いが異なります。

 例えば、AとB二人の名義であったとして、A and Bであれば、AとBの両者のサインが無ければお金を動かせません。

 A or Bであれば、片一方のサインのみで、お金を動かせます。

 マレーシアでMM2Hの関係で口座を開設する場合、たいていの場合、ご夫婦でA or Bで共有名義にしていると思います。

 この場合、キャッシュカードやクレジットカードは共有名義人数分の発行が可能です。

OR口座は一人が死亡してもお金は動かせる?

 では、急に共有名義人の中の一人が死亡した場合はどうなるでしょうか?

 通常、ORの共有名義口座の場合は、名義人のうちの一人が死亡しても、残りの名義人のサインでお金を動かせるのが普通です。

 しかし、マレーシアでは、どうも、状況が違うようです。

CIMBとPublic Bankの回答

 CIMBとPublic Bankで確認したところ、両銀行とも、「死亡を知った時点で、口座は凍結する。」という回答でした。いわゆる欧米の銀行の共有名義口座とは異なる取り扱いです。

 なお、銀行が死亡したことに気づかなかった場合は、ジョイント名義のもう一人のほう(A死亡時のB)が引き出すことが出来るが、「死んだ」という連絡を受けたらすぐに凍結だといわれました。

 名義人の死亡が確認されて以降は、相続の手続き 「マレーシアの相続法(Distribution Act1958) 」 に入ります。裁判所による検認(Probate)が必要ですが、遺言書があったとして、数ヶ月(3ヶ月から半年程度と言われていますが、どうも最近1年以上かかるケースが出てきているようです。)、遺言書が無ければ、数年かかるということです。

 この件については、CIMBとPublic Bankしか確認しておりませんが、おそらく、マレーシアのローカル銀行は同じような対応ではないかと推測されます(CIMBとPublic bank以外については、皆様自身で御自身の口座がある銀行にお問い合せください)。

 ただし、HSBCやCiti Bank、スタンダードチャータードなどの外銀は、凍結されないかもしれません。今後機会があれば確認していきたいと思います。

いざというときに備えて単独口座を持とう

 複数の銀行に口座を持っていても、共有名義ばかりであれば、名義人の一人が死亡し、銀行が死亡を知れば凍結されてしまい、全くお金を引き出すことが出来なくなってしまいます。

 遺言書があれば検認は短期間で済む、といっても遺言書が無い場合と比較して短期間と言っているだけで、遺言書があっても数ヶ月かかります。その間、銀行口座が凍結されれば当座の資金にも困る事態となりかねません。

 銀行が死亡を知り、口座を凍結する前に、お金を急いで動かせば何とかなりますが、 急に身内が亡くなった時などは、すぐにお金のことに気が回るか?という危険があります。

よしんば、気が回って、お金を動かすにしても、共有名義の口座しかなかったら、現金で引き出して持っておくほかは無く、非常に不便を強いられます。

 Public Bankの方から、「生活に必要な分については、それぞれSolo口座(単独名義口座)にして持っておくというのが良い考え」との御助言を頂きました。

 今回、筆者はKLに渡航し、Public Bankで夫婦共有名義ではなく、それぞれが単独口座を開設しました。

 ロングステイを始める際には、単独名義の口座に当座の資金は置いておくようにしようと思います。

共有名義のAND、ORとは? どっちにしても死亡時は口座凍結

 共有名義の”AND”、”OR”は、健在であるときに、”AND:名義人全員のサインがないとお金を動かせない” か ”OR:名義人のうちの一人のサインがあればお金が動かせる” かの違いであり、名義人が一人でも死亡すれば、ORであっても凍結されるということです。

 なお、くどいようですが、この凍結しますとの回答はCIMBとPublic bankで確認しました。他の銀行は確認していませんのであしからず。

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